2015/9/18

ミラチャイ☆[128回]宮澤佐江「記憶がないほど、必死で怒とう」8月末、松井玲奈卒コンまでを振り返る

[128回]宮澤佐江「記憶がないほど、必死で怒とう」8月末、松井玲奈卒コンまでを振り返る

2015.9.18 12:15

8月末に豊田スタジアムで行われた、SKE48のコンサートを振り返ります。卒業した松井玲奈ちゃんを見送った夏の終わり。支えてくれた、後輩メンバーたちへの思い。佐江ちゃん史上、もっとも怒濤な夏を聞きました!


ニイハオ! 宮澤佐江です。
ーーさあ、佐江ちゃん。今回も、よろしくお願いします。
はい! よろしくお願いします!!
ーー前回の「ミラチャイ」インタビューから約1カ月。この間に、季節はもうすっかり“秋”ですね。
本当に! 前回は、ちょうど私のお誕生日の直後にインタビューしていただいたんですよね。
ーーそうですね。今回と次回は、今年の夏、後半の出来事をお聞きしていきたいと思っています。松井玲奈ちゃんを見送ったSKE48の豊田スタジアムコンサート(「松井玲奈・SKE48卒業コンサートin豊田スタジアム~2588DAYS~」)、そして、佐江ちゃんの生誕祭もありました。
「ミラチャイ」があると、“先月は、こんなことがあったなあ”“あのときは、ああだったなあ”とか、本当に分かりやすい。「ミラチャイ」は佐江の“年表”ですね! すごく振り返れる!!
ーー“年表”とは、とっても嬉しいですね。ありがとうございます! それでは早速、豊田スタジアムでのコンサートから、振り返っていきましょうか。初めに、SKE48として、最大規模でのスタジアムコンサートの無事終了、おめでとうございます! 
ありがとうございます!
ーー今回のコンサートでは、リハーサルに入る前、少し不安な気持ちものぞかせていた佐江ちゃんですが、リハーサルの期間はどのように過ごしていたのですか? (第125回)
ちょうど先月の「ミラチャイ」のインタビューが終わってから、夏の後半戦が始まって。とにかく“怒濤の8月”が無事に終わって、早く9月が来てほしいと思いながら、毎日お仕事していました。

もう、周りを見ずに、必死だった。だから、どんな気持ちでリハしていたかも、記憶がないくらいなんです。。
結果的に、リハに参加できたのは、3…、4回くらいだったのかな。新曲の「ハロウィン・ナイト」の選抜メンバーにも、選んでいただいていたので、その収録で、名古屋と東京の移動だけで終わってしまうこともありました。
豊田スタジアムのリハーサルは、基本、名古屋でやっていて。リハの後半だけ参加して、行けなかった前半部分は、先生に聞いてメモをとって、次までに覚えるという感じだったんです。
今までのコンサートでは、なるべく頭の中で覚えようという感覚で、あまりメモに書いたりしなかったんですが、今回は書き込みまくりました。
自分で書いた立ち位置表の番号や、どのタイミングで移動するかを、ギリギリまでメモとにらめっこしながらやってました。
ーーそうして臨んだ本番では、納得のいくパフォーマンスができましたか?
本番は、とにかく1日ずつ消化していこうと思ってました。まず、初日の29日のことだけ考えて、それが終わったら、30日のことを考えようという感じで。2日間、全く違うセットリストだったんです。
両日で、何曲かは同じ曲があるんですが、入るタイミングが全然違ったり、曲の長さも違ったり。
ーー確か、そのうち1日は、卒業する松井玲奈ちゃんが考えたセットリストだったそうですね。
はい。29日は、玲奈が考えてくれたセットリストだったんです。フルサイズでシングルメドレーもありました。


48グループは、コンサートでもなかなかフルサイズで歌って踊ることがないんです。“2分半”という言い方をしているんですが、歌番組でやる“1番だけ”というテレビサイズの長さで、コンサートでもその長さで歌うことが多いから。
今回、玲奈が“シングル曲を何曲か、フルサイズでメドレーをやろう”って、セットリストに入れてくれたんです。2番の振りは知らない曲ばっかりだったので、それを覚えたりするのに、手こずったりしたけど(汗)
でも、“緊張感があるコンサートの方が楽しいな”と思うんです。
余裕のようなものも見せられる部分もあるんですが、“間違えないようにしなきゃ”っていう、緊張感のあるコンサートの方が、“私は好きかも”って。今回、改めて思いました。
SKE48の曲で私が自信のある曲は、自分が入らせてもらったシングル曲以外、振り起こしをした曲しかないので、全曲に対してまだ不安があるんです。パフォーマンスのすべてにおいて。。 だからSKE48のライブは毎回ちょっと緊張しちゃうんです。
SKE48単体で、大きい場所でやらせていただいたのが、私としても初めてだったので、とってもいい緊張感を持たせてもらえました。AKB48のときには、持たなかった緊張感というか。
ーー緊張感があった方が、逆に、いいパフォーマンスを生むということはありますか?
何て言うんだろう…。初々しさが出せるというか。でも、“緊張の中で、どれだけ自分らしさを出せるか”っていうチャレンジ心もあったりするんです。本当は余裕がないのに。でも、それが楽しく思えたり。
ーー“楽しむ”という言葉は、佐江ちゃんの発言の中で、最近よく見かけるような気がします。

緊張感も楽しみたいです。だって、絶対に、そのときにしか味わえないじゃないですか。どんな場面であっても、同じ緊張って、絶対に二度来ないから。
今、やっとそれを楽しめるような自分になったんだと思います。上海へ行ったりして、日本でも活動できるようになったという喜びもあるから。
すべてにおいて“楽しまなきゃな”っていう気持ちで取り組めるようになったので、自分の鍵となったのは、やっぱり、SNH48の時期なんだなって、いつも感じます。
ーー確かに、自分の中で、“自分のステージ”が上がったと感じていないと、“緊張を楽しむ”とは言えないかもしれませんね。
言えないですね。今まで、言えなかったもん。「緊張を楽しみたいです!! 」とはよく言っていたけど、でも、それは“ただ、その言葉を言いたいだけ”みたいな(笑)。言葉では言ってるけど、実際にはできてなかったと思う。
今は、自分がそれをできてると思えるようになったし、人にもそう言えるようになりました。
ーー“緊張”については、後輩メンバーからも、相談されることがあるのではないですか?
言われます、言われます。「緊張してる。どうしよう…?! 」って言われるから、「楽しんで!! 」って言います。「楽しもうぜ! ミスったら、ミスったときのことだよ! 」みたいな感じで。
これまで、上海のことはもちろん、生の舞台も経験させてもらって、リハどおりにやらなきゃいけないのは分かってるけど、そうならないときも、もちろんあります。
“生だから何が起こるか分からない”という楽しみを持ってた方が、やっぱり面白いなと思うんです。

絶対に間違えない台詞を噛んじゃったり、その後、どうやって対処しようか考える、あの時間のヒヤヒヤさ。。“生”だなって思える瞬間というか。
コンサートも生だから、急に衣装が壊れちゃうとか、髪飾りがとれちゃうかもしれない。そうなったらどうしよう…って、考えるのが、そんな余裕もないんですけど(笑)、楽しいなって思えるようになったんです。
“目がいっぱいある”っていう言い方があると思うんですが、それができるようになったのかな。だから、後輩にもこういうことを言えるようになったんだと思います。
「絶対に、間違えたらダメだよ」って言われてる部分を、誰かがミスしても、カバーできる余裕が自分にできてきたから。でも、そうなるまでには、私も、これだけの時間がかかりました。
今いる後輩たちにもっと後輩ができたとき、“佐江さんが言ってたのは、こういうことだったのか! ”って、思い出してもらえる日がくればいいなって思います。だから、「今すぐにできなくてもいいから、何でも楽しもう! 」って、声をかけてます。
ーー後輩にとっては、本当に頼もしい先輩ですね。
でも私は、48グループの中では皆の先輩にあたるけど、こういう私が、コンサートでは逆に全然できてない。ダメなのは分かってるけど、こういうときこそ、“後輩の力を借りたいな”って思うというか。
振りのことだったり、「この楽曲って、どこで移動するんだっけ? 」とか、後輩から色んなことを教えてもらったり。後輩も、人に教えることによって、自分も学んでいくっていうのもあると思うんです。
その環境を、すごくいい感じに作れたんじゃないかなって、今となっては思います。
今回は、本番前で、皆が焦ってるにも関わらず、「ここって、こうだっけ?? 」って、ギリギリまで聞きまくってました。本当に他のメンバーがいなかったら、できなかったと思います。

特にSKE48では、私は、ダンスを教えられるわけではなくて、逆に皆から教わらなきゃいけないから。だから基本的に皆に伝えることができるのは、“パフォーマンスに対して、どういう気持ちを持ってるのか”とか“自分の気持ち”。
振りについては、“佐江さんが、こう言ってたよ”っていうのは、後輩の中に残せないので、“言葉”を残さなきゃなって思ってます。自分が巣立った時に、それが後輩の中に残ってくれたらいいなって、いつも考えてます。
SNH48でいうと、またそれが逆かもしれません。言葉の壁はあるけれど、振りについては教えられる。真逆の環境に自分がいるから、それもすごく楽しく思えますね。
ーー8月が終わったときは、“やりきった感”があったのではないですか?
かなりありましたね。“よし! 9月だ! ”という感じで。今年の夏はハードでした。記憶にないくらい。
今までの夏も、ハードだったことには間違いないんです。AKB48のコンサートに出たことも自信がなかったりしたので。
昔だったら、曲がかかれば踊れちゃったけど、昔の曲も忘れかけてるし、最近の曲は、全然振りが入ってなかったりして、覚え直しするものばかりでした。SKE48でも、そういう状態だったので、どっちも頭を使わなきゃいけなくて。。
身体も心も疲れたというか…。でも、やりきりました! 身体が弱っちゃったのも、たぶん、頭を使いすぎたからだと思う。“バカは風邪ひかない”っていうのにな。あははははは。
ーー怒濤の8月、本当にお疲れさまでした! これまでにない夏ということで、あえて質問なのですが、佐江ちゃんの今年の夏を漢字一文字で表すとしたら、どんな漢字になるでしょうか?? ちょっと、年末っぽい質問ではありますが…(汗)
うわっ! マジ? (笑)

「忘」ですね!! “忘れる”。“忘れたい”し、“忘れられない”みたいな。
ーー「忘」ですか? ちょっと意外です!!
“忘れたい”くらい忙しかったけど、色んなことがあったから“忘れられない”だろうなあ”っていう感じもあります。とはいっても、ちょいちょい忘れちゃってる部分もありますけどね(笑)。でも、絶対忘れられないなあ。今年の夏は!
タイミング悪く、自分が体調を壊してしまったというのもあります。それもあるから、「忘」。年末の言葉みたいですね。“忘年会の忘”。あはははは!
ーー(笑)。さあ、最後になりましたが、次回の「ミラチャイ」では、今回からまた新しくなった、佐江ちゃんの撮影衣装についての話題も織り交ぜながらお話していきたいと思ってますよ! 
はい! 今回の衣装は、“秋テイスト”ですよね。今日の撮影のときは、まだ落ち葉はなかったけど、服を変えただけで、めっちゃ秋を感じました。 9月になって、日差しも夏とは違って、日陰に入ると、本当に涼しくて。
ーーそうですね。9月というと、日本ではシルバーウィークの連休や、中華圏では中秋节(中秋節)という、春節に並ぶ伝統的な行事も控えていますね。

月餅を食べたり、贈ったりする習慣があるんですよね。もちろん、覚えてますよ! (第30回)
ーー今年の中秋节は9/27。旧暦の8/15にあたるその日の夜は、一年の中でも月がとりわけ明るく美しい日。お月見しながら月餅を食べるのは昔ながらの習慣です。
わあ。。
ーー“月”といえば、アジアの歌姫、テレサ・テンさんが歌った、月亮代表我的心も有名ですよ。“あなたへの愛の深さ、変わらない私の心は、あの月が表している”という内容のラブソングです!
あ! 聞いたことがあるような気がする。我的心っていう言葉に聞き覚えがあります。
ーースローなテンポで覚えやすい楽曲なので、機会があったら、ぜひ聞いてみてくださいね。それでは今回もありがとうございました。また次回もよろしくお願いします!!
はい! ありがとうございました!!  今回お話した豊スタでのコンサートで玲奈は、本当に生き生きしていました。卒業コンサートを、本当に最後まで楽しもうという気持ちを持っていて。
もしかしたら、当日は、悲しい気持ちが生まれちゃうのかなとも思っていましたが、私も、いい意味で、悲しいという気持ちは持たずに、“お疲れさま。いってらっしゃい”っていう、すごく、いい気持ちで送ることができたなって思っています。
次回は、私の生誕祭のお話もしていきます。どうぞ、楽しみにしていてくださいね。谢谢大家!(皆さん、ありがとう!) 
宮澤佐江
【今回のまとめ】
◎中国入門ポイント
月亮代表我的心は、直訳すると“月は私の心を表している”。歌詞は、“あなたは私に、どれくらい愛しているのかと聞くけれど、私の愛の深さや、変わらない心は、あの月が知っています…”という内容です。
アジアの歌姫、テレサ・テンが1977年に歌ったことで超ヒットソングとなり、現在も変わらず、中国、台湾、香港を問わず、中華圏の人々から広く愛され、歌い継がれている中国語の名曲です。
この楽曲を歌った歌手や、俳優たちも非常に多く、最近では、アメリカのロック歌手、ジョン・ボン・ジョヴィや、2011年に北京で初の海外公演を行ったSMAPも、この曲をカバーしたことで話題になりました。
また、アジア圏の映画やドラマにも効果的に登場します。その中でも、テレサ・テンが急逝した翌年に公開された香港映画『甜蜜蜜』(邦題:ラヴソング)は、彼女の歌声がストーリーとともに心にしみる、男女の10年愛を描いた恋愛映画の名作です。
◎今回のフレーズ&単語
中秋节【Zhōngqiūjié】中秋節 ※旧暦の8月15日に明月を鑑賞しながら、供えた月餅などを家族で食べる中国の伝統行事。日本のお中元・お歳暮に似た贈答の慣習もある
月亮代表我的心【Yuèliàng dàibiǎo wǒ de xīn】1977年に、テレサ・テンがカバーした楽曲のタイトル ※月亮:月/代表:表す/我的心:私の心
甜蜜蜜【Tiánmìmì】1996年に公開された香港映画のタイトル。監督はピーター・チャン。邦題は『ラヴソング』。同名の主題歌もテレサ・テンが歌っている ※ともに、“甘い”または、“蜜のように甘い”を表す
*本文中の赤字は、中国語です。
*)中国語の表記は、上海(大陸)で使われている簡体字を使用しています。また【 】内には、中国語の発音表記として漢語拼音(ピンイン)を記しています。
撮影:山田大輔 スタイリング:山本隆司  ヘア&メイク:間篠美歩(NICOLASHKA)


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